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第46回行政書士雑学講座

皆さんこんにちは!

久保田行政書士事務所です。

 

~求めているもの~

 

 

行政書士に相談に来られる依頼者は、何かしらの手続きや問題を抱えています。会社設立、許認可、相続、遺言、契約書、在留資格、自動車手続き、補助金関連など、その内容は多岐にわたります。しかし、依頼者が本当に求めているものは、必ずしも「ただ書類を作ってほしい」ということだけではありません。
多くの方が求めているのは、自分の状況に合った最善の進め方を、一緒に整理して提案してくれることです😊
つまり、行政書士業において大切なのは、作業力だけでなく、提案力なのです。

たとえば、「会社を設立したい」という相談一つを取っても、依頼者によって状況はまったく違います。個人事業から法人化したいのか、ゼロから新規事業を始めたいのか、許認可取得を前提に法人をつくるのか、節税や信用面を考えて法人化したいのかで、必要な手続きや検討すべき点は変わってきます📘
ここで、単純に定款作成や設立書類だけを案内するのではなく、「今後許可申請を考えるならこの点も見ておいた方がいいです」「役員構成や事業目的は後から困らないよう慎重に考えましょう」と提案できる行政書士は、依頼者にとって非常に心強い存在になります。
依頼者が求めているのは、目の前の書類だけではなく、その先まで見据えたサポートなのです。

また、建設業許可や産業廃棄物収集運搬業許可などの許認可分野では、提案力の差が非常に大きく出ます。
依頼者は「許可を取りたい」と言いますが、その背景には、受注先から求められている、元請案件に入りたい、事業拡大したい、経営事項審査や入札参加につなげたいなど、さまざまな目的があります🏗️
ここで信頼される行政書士は、単に申請書類を整えるだけでなく、「今後の更新や変更届も見据えると、この段階でこの資料を整理しておいた方がいい」「専任技術者や経営業務管理責任者の要件確認を早めにした方が安全」「許可後に必要になる実務も考えておきましょう」といった形で、一歩先の提案をします。
こうした提案は、依頼者にとって非常に価値があります。なぜなら、多くの依頼者は制度の全体像を知らないからです。

在留資格や国際業務でも同じです。依頼者は「このビザを取りたい」「更新したい」と希望を伝えてくるかもしれません。しかし、現実にはその方の経歴、家族関係、就労内容、会社側の事情などを総合的に見なければ、適切な方向性は判断できません🌏
このとき、ただ希望された申請類型を受けるのではなく、「現状だとこちらの在留資格の方が適切かもしれません」「この資料が弱いので、補強資料を準備した方がよいです」「今回は更新より、別の整理が必要です」と提案できる行政書士は、深く信頼されます。
依頼者は制度に詳しい専門家を探しているだけではなく、自分の状況に合わせて考えてくれる人を探しているのです。

相続や遺言分野では、提案力はさらに重要になります。
相続人の関係性、財産の内容、不動産の有無、家族間の温度差、将来のトラブル可能性など、表面的な書類作成だけでは済まない事情が多くあります。依頼者自身も、何をどう整理すればいいか分からないまま相談に来られることが少なくありません🏠
そこで、「まず相続関係図を整理しましょう」「財産目録を作って全体像を見えるようにしましょう」「今のうちに遺言を準備しておくことで家族の負担を減らせます」といった提案ができる行政書士は、大きな安心感を与えます。
提案力とは、依頼者が言ったことをそのまま実行する力ではなく、依頼者がまだ言語化できていない課題や必要性を整理して示す力でもあるのです。

行政書士業における提案力で大切なのは、押しつけにならないことです。
信頼される行政書士は、専門家として意見を述べつつも、依頼者の意向や事情を無視して話を進めることはしません。
「一般的にはこちらが良いですが、今回の事情ならこういう考え方もあります」
「費用面を考えると優先順位はこうなります」
「今すぐ全部やる必要はなく、まずはここから進める方法もあります」
このように、選択肢を整理しながら提案することで、依頼者は自分で納得して判断することができます😊
依頼者が本当に求めているのは、正しそうな答えを押しつけられることではなく、自分の状況に合う道を一緒に見つけてもらうことなのです。

また、提案力は依頼者の不安を先回りして減らす力でもあります。
たとえば、申請が通るかどうか不安な方には、審査で見られるポイントを事前に説明する。
費用が心配な方には、どこまでが必須でどこからが追加になるのかを明確にする。
時間が気になる方には、手続きの流れや目安を見える形で伝える。
このように、依頼者が心の中で感じている不安を先に整理してあげることが、信頼につながります💬
「この先生は、こちらの気持ちを分かってくれている」
そう感じてもらえたとき、単なる事務代行ではない価値が生まれるのです。

さらに、提案力のある行政書士は、自分の業務範囲の外まで視野に入れていることが多いです。
もちろん無資格業務をしてはいけませんが、税理士・司法書士・社労士・弁護士などと連携が必要になりそうな場面を見抜き、早めに案内できるかどうかは大きな違いです🤝
「この点は税務面も確認した方がいいです」
「登記が必要になるので司法書士との連携を考えましょう」
「労務問題も絡むので社労士の視点も必要です」
こうした案内ができる行政書士は、依頼者から見て非常に頼もしく映ります。
なぜなら、依頼者にとって大事なのは“行政書士の仕事を頼むこと”ではなく、“問題をきちんと解決すること”だからです。

行政書士業において、依頼者が本当に求めているものは、単なる知識の多さではありません。
自分の状況を理解し、選択肢を整理し、最適な進め方を提案してくれること。
これこそが大きな価値です✨
そして、その提案が押しつけではなく、依頼者の事情や不安に寄り添ったものであるとき、深い信頼が生まれます。

行政書士の仕事は、制度を知っているだけでは足りません。制度をどう使えば依頼者の役に立つのかを考え、依頼者が一歩前へ進めるように支えることが大切です。
だからこそ、依頼者が本当に求めているのは“書類作成サービス”だけではなく、“安心して進めるための提案”なのではないでしょうか😊